粉体特性解析 JIS K 6217-4ISO 4656ASTM D2414

S-500

吸油量測定装置

カーボンブラック・電極材料等の吸油量(DBP吸油量)を高精度に自動測定。スピードコントロールモーター採用による温度上昇抑制と独自トルク検出機構により、微小トルク粉体にも安定した測定を実現します。

S-500 吸油量測定装置

二次電池用負極材の評価に最適

リチウムイオン電池をはじめとする二次電池の性能は、負極材に使用されるカーボンブラックや黒鉛系材料の品質に大きく左右されます。吸油量(DBP吸油量)は、カーボンブラックのストラクチャー(粒子の凝集構造)を定量的に評価する指標として広く用いられ、電極内の導電ネットワーク形成や電解液の含浸性を予測するうえで欠かせないパラメータです。

S-500 は、国内外の大手電池メーカー・材料メーカーに採用されており、負極材の受入検査、ロット間品質管理、新規材料の研究開発において高い評価を得ています。スピードコントロールモーターの採用により装置の温度上昇を抑え、温度変化に敏感な電極材料でも安定した繰返し精度を実現します。

導電助剤として使用されるアセチレンブラックやケッチェンブラックなど、微小トルクで反応する粉体にも対応。独自のトルク検出機構により、低ストラクチャー材料でも明確なエンドポイント検出が可能です。

測定原理

S-500 は、JIS K 6217-4 に準拠したトルク変化方式で吸油量を測定します。試料粉体をミキシングチャンバーに入れ、ブレードで撹拌しながら高精度マイクロ定量ポンプで一定速度のDBP(フタル酸ジブチル)を滴下します。

粉体が液体を吸収するにつれてブレードにかかるトルクが上昇し、やがて粉体が液体で飽和すると急激にトルクが低下します。この最大トルクの70%に達した時点を測定のエンドポイントとし、それまでに滴下した液量から吸油量(mL/100g)を算出します。

高精度マイクロ定量ポンプによる精密な送液制御と、応答性の高いトルクセンサーの組み合わせにより、従来の手練り法と比べて測定者間のばらつきを大幅に低減します。

対応するサンプル

S-500 はカーボンブラックに限らず、幅広い粉体材料の吸油量を測定できます。以下のような業界・用途で利用されています。

  • カーボンブラック — ゴム・タイヤ用、電池用導電助剤、インク・塗料用
  • 電極材料 — リチウムイオン電池用黒鉛負極材、シリコン系複合材料
  • シリカ(ホワイトカーボン) — タイヤ・ゴム添加剤、化粧品原料
  • 炭酸カルシウム — 製紙・塗料・プラスチック用フィラー
  • 顔料・セラミックス粉末 — インクジェット用分散体、電子部品材料

測定液もDBPに限らず、あまに油、シリコーンオイル、水、NMP(N-メチルピロリドン)、DOP(フタル酸ジオクチル)など、サンプルや規格に応じて切り替えが可能です。

S-500 高トルクタイプ

タイヤ用カーボンブラック(N110、N220、N330等)は高ストラクチャーのため、混練時に大きなトルクが発生します。標準仕様のS-500(最大10Nm)では測定レンジを超える場合に対応するのが、高トルクタイプの S-520 です。

S-520 の主な仕様

  • 最大トルク:20Nm — ハードグレードカーボンブラックにも対応
  • 測定部をステンレス仕様に変更 — 耐摩耗性・耐腐食性を向上
  • ASTM D2414 規格の高トルク要件に適合

S-520 はタイヤメーカー、ゴムコンパウンドメーカーなどで採用されており、タイヤ用カーボンブラックの受入検査やグレード選定に利用されています。

主な特長

  • スピードコントロールモーター採用 — 装置温度の上昇抑制、回転数の安定化
  • 独自開発トルク検出機構
  • 簡易温度制御機能(断熱構造採用)
  • 高精度マイクロ定量ポンプ内蔵(滴下速度可変・簡単校正)
  • DBP・あまに油・シリコーンオイル・水・NMP・DOP等に対応
  • サーマルプリンター内蔵
  • 液晶タッチパネル操作
  • PC用通信ソフト標準付属(パソコン無しでも使用可)
  • 小型軽量 約50kg
  • AC100V(海外向け200V対応可)

オプション

  • バッファタンクユニット
  • 近似式補正機能
  • ステンレス仕様の測定部
  • 高トルクタイプ(最大20Nm)— タイヤ用カーボンブラック向け

主な仕様

型式

S-500

測定方式

トルク変化方式(JIS K 6217-4準拠)

対応液体

DBP, あまに油, シリコーンオイル, 水, NMP, DOP等

送液方式

高精度マイクロ定量ポンプ

駆動方式

スピードコントロールモーター

最大トルク

標準:5Nm / 高トルクタイプ:20Nm

表示

液晶タッチパネル

出力

サーマルプリンター、RS-232C

質量

約50kg

電源

AC100V 最大500VA

よくある質問

手練り法(スパチュラ法)との違いは何ですか?
手練り法はJIS K 5101-13-1等で規定される手動測定ですが、測定者の技量や力加減によって結果にばらつきが生じます。S-500はモーター駆動による自動撹拌と高精度マイクロ定量ポンプによる定量滴下を行うため、測定者間の誤差を排除し、高い繰返し精度を実現します。
パソコンなしでも使用できますか?
はい、液晶タッチパネルでの操作とサーマルプリンターによる結果印字が標準装備されているため、パソコンなしで単独運用が可能です。PC用通信ソフトも標準付属しておりますので、データ管理やCSV出力を行いたい場合はパソコンを接続してご利用いただけます。
海外工場でも使用できますか?
AC200V仕様への対応が可能です(オプション)。また、JIS K 6217-4だけでなく ISO 4656 および ASTM D2414 にも準拠しているため、海外拠点での品質管理にもそのままご使用いただけます。